概要

21020系は2002年10月に製造され、同年12月23日に営業運転を開始した特急形電車である。6両2編成が在籍しており、主に名阪甲特急に使用される。

導入の目的

名阪甲特急の専用車である21000系は登場から15年を迎え、各種に見劣りする部分が目立っていた。そこで2003年から2005年にかけて21000系のリニューアル工事が行われる事になったのだが、名阪甲特急は近鉄の看板列車でもある事から汎用型を代走に使用するとサービスダウンになる可能性が見えていた。そこで改造工事中の穴埋めを目的に製造されたのが本形式である。

外観

白色の塗装に車体裾部にオレンジのラインを配したカラーリングで21000系をほぼ引き継いでるが、前面はアヒル型の流線型のブラックフェイスとなった。前照灯は窓の上部にHID式が設置され、尾灯と標識灯はLED式の物が窓下に配置されている。

客用扉はプラグ式が採用され、扉下にはステップが設置されているが、以後の車両には引き継がれなかったため、本形式固有の物となっている。

室内

レギュラーカーはグレーを基調とした回転式リクライニングシートで2&2配置に、デラックスカーは紫を基調とした回転式リクライニングシートで2&1配置となっており、共に新開発のゆりかご型が採用された。

性能

制御方式はVVVFインバータ制御で特急形車両では初めてIGBT素子が採用された。21000系では全電動車方式が採用されたが、本形式ではMT比1:1(大阪難波・賢島TMMTMT近鉄名古屋・近鉄奈良)の3M3T方式となった。1基の制御装置で2台の主電動機を制御する1C2M方式で駆動方式はWNに、歯車比は4.94である。

営業最高速度は130km/hで加速度は2.5km/h/s、減速度4.0km/h/sで33.3%の上り勾配で架線電圧10%減・定員乗車でも均衡速度118km/hを確保している。

歴史

2002年9月 第一編成竣工
2002年10月 第二編成竣工
2002年12月23日 団体臨時列車で運転開始
2003年3月6日 定期運転開始
2008年10月30・31日 お召し列車として京都・奈良間で運転
2010年10月7・10日 お召し列車として京都・奈良間(7日)・奈良・室生口大野間・大和朝倉・大阪上本町間で運転

運用

当初は名阪甲特急のみに使用されていたが、現在は平日の夜に限り阪奈特急(大阪難波発奈良行きの1本のみ)にも使用されている。本形式は2本のみで2編成ともフルで使用されているので検査で運用から離脱してる場合は21000系が代走する。

運用路線

名古屋線 全線
大阪線 全線
難波線 全線
奈良線 全線

戻る

TOP